睦月の本・壱
「いってかえって星から星へ」



いってかえって星から星へ

佐藤さとる・文
田中清代・絵

待ちに待った、佐藤さとるさん2年ぶりの新刊である。期待に違わぬ絵本を届けてくれた。

珍しい名前の本。ページをめくると、あら不思議・・・。ちょっと楽しい味付けもあるこの絵本は、佐藤さんの「あとがき」通り、佐藤さとる・文というよりも、佐藤さとるさん絵本監督、演じるは、田中清代さんという役所。楽しく美しい絵本の誕生です。

両方がとがった鉛筆のような宇宙船から来た宇宙人は、地球を訪れます・・・。前半は星に行く話。で、後半は星から帰る話。ただし、ちょっとだけ、「おや??、あれれ!!」という仕掛けがあります。あとは読んでのお楽しみ。

絵本ですから、文と絵50対50(フィフティ・フィフティ)ではありますが、楽しみかたは、人それぞれ。ここを覗いてくれる方々は、コロボックル物語を一度は読んでいると思います。そんなコロボックル物語をご存じの方は、さらに楽しめること請け合いです。古くからのファンも、初めてこの本を手に取る方も、「佐藤さとるさんの世界」のある一面を、楽しく見せてもらえる、そんな一冊です。

絵の方も、田中清代さんが佐藤さんのアイデアを元にすてきな世界を展開してくれます。百の文節を繰り広げるよりも、一目見てもらえればOK。まさに一目瞭然。佐藤さとるさんの「かの」文章をさらに広げて見せてくれる田中さんの手腕に脱帽というところでしょうか。

最後になりますが、この記事の紹介を快く承知していただき、絵本の表紙を掲載するために田中さんの許諾もお取りいただいたビリケン出版の津田さんに感謝致します。

この本の購入方法:ビリケン出版の本は、以下のようにして書店にご注文ください。
ビリケン出版の本は、ビリケン出版という出版社の名前ともちろん本の名前、
(著者もあればベスト)をそえて、「地方・小出版流通センター取扱品」と書店に伝えれば、
取り寄せできるそうです。

「いってかえって星から星へ」2000年12月(ビリケン出版)


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